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■Vol.43 巴里の光
■Vol.42 クリスマスパーティー
■Vol.41 クリスマス料理教室
■Vol.40 Saison de Noel
■Vol.39 出会いとチャンス
■Vol.38 Village St.Paul
■Vol.37 オーロルキャプシーヌ
■Vol.36 斉藤千鶴料理教室
■Vol.35 わが青春のサガン
■Vol.34 パリでナミダ
■Vol.33 ビーズ
■Vol.32 Simone d'Averay
■Vol.31 バースデーケーキ
■Vol.30 ロザリンヌデラクール
■Vol.29 Melons de Cavaillon
■Vol.28 マダムソランジュマジェール
■Vol.27 plaisirs de Paris
■Vol.26 アクセサリー workshop
■Vol.25 パリの色
■Vol.24 Le parfum (香水)
■Vol.23 La petite plaisir
■Vol.22 クレーム・シャンティー
■Vol.21 ア・ラ・ブティット・ファブリック
■Vol.20 紅茶の時間
■Vol.19 マダム谷川料理教室
■Vol.18 ドラジェ
■Vol.17 小さな幸せ
■Vol.16 ユーヌ書店
■Vol.15 Mon Paris 2 
■Vol.14 パリで見つけたアムール
■Vol.13 エスカリエ(階段)への想い
■Vol.12 大切なお客様、スタッフ、そして家族へ感謝を込めて
■Vol.11 ステーキ&フライドポテトの店
■Vol.10 おいしい紅茶のいれ方
■Vol.9 去年の今頃はPARISで
■Vol.8 ギャレット・デ・ロワ



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巴里の光(Vol.43)


27 decembre. lundi.
一年の終わりというのは、いつも少しばかりの緊張と共に過ぎてゆく。クリスマスイブから一気に始まる、特別な雰囲気。クリスマス・大晦日・お正月。そこには、確実に時間の境界があり、旧いものから新しいものへの変化が重なる日々。お正月が過ぎれば一気にクールダウンをして、また日々の生活が始まる。

クリスマスを終えた巴里の街はどことなく、静寂に包まれている。夜、アトリエの近所を散策する。
何の目的もなく、白い息を吐きながら、途中でアパルトマンの管理人さんが犬の散歩をしているのに出くわす、いつもの彼とは違って、業務用でないボンソワという挨拶が寒くとがった空気を少し和らげてくれる。

個人的には、冬の夜の巴里の情景が一番好きだ。それはこの街の光が、何よりも温かく私達を迎えてくれるからなのだろう。フランス人の光に対する感性というものは確実に私達のそれと異なる。日本の街の、冷たい蛍光灯の光の中で育った私にはとりわけこの街の光は温かく感じる。今でこそガス灯ではないけれど、それを彷彿とさせるような、暖かな街灯。あのオレンジ色の光にはどことなく暖かな空気を感じさせる。

巴里のアパルトマンにしても同じこと。興味深いことに、最初から天井に照明の取り付けていない部屋もある。夜、天井から昼間のように明るい光を煌々と点ける習慣が無いのだろう。アパルトマンを眺める時、それぞれの窓から漏れる光はどこも薄暗いオレンジの光。

それがなおさら、人の営みを感じさせてくれる。

昼は昼らしい光、そして夜には夜らしい光。蛍光灯の光を煌々と灯すのではなく、時にはロウソクの光のもとで夕食というのもいい。

大晦日。家族で共に過ごす夜に、あたたかなロウソクのオレンジの光を灯してはいかかでしょう。蛍光灯の青白い光は、家族で過ごすには少し冷たい。

巴里よりBonne Annee.
(Tomo)


2004/Dec.
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クリスマスパーティー(Vol.42)


12月21日 escalier.Cにてクリスマスパーティー。
ひとり1品持ち寄ったパーティー料理はテーブルに並びきらない程いっぱい。
皆さんの雰囲気は今日は特別、はなやかです。
フランス語レッスンの生徒さん、お友達、先生のMelina、apantemaの堺谷さんetc...
普段、すれ違いに来店される方々が一度に集まったパーティーは、おしゃべりが止まる様子もなく、 どうなることかと思いました。

それぞれが持ち寄ったパーティー料理は、ガトーショコラ、べーグルサンド、カナッペ、そして手の込んだミートローフまで!どれもおいしく、つい手をのばしてしまう料理ばかりで、作り方をお互い教え合う姿もありました。

そして、ビンゴ大会。
Melinaがフランス語で数字を読みあげると、皆、すばやく聞き取っていたことには驚きました。
ビンゴする度に、Melinaが「Qu'est-ce que c'est?」と、景品が何だったかを聞くので、 「C'est 〜.」と答え、今までのレッスンの成果が試されたビンゴ大会でした。 パーティーは、本当にあっという間で、たくさんおしゃべりして、たくさん笑いました。

この日は、駅まで皆さんとおしゃべりしながら帰り、最後まで本当に楽しい1日でした。 (Mari)


2004/Dec.
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クリスマス料理教室(Vol.41)


12月14日、マダム谷川の「クリスマスのごちそう」をテーマにした料理教室が行われました。
クリスマスに相応しいローストチキン・帆立貝のサラダ・ケーキ・ホットワインで楽しいひとときを過ごしました。メインのローストチキンは、鳥のレバー、ハム、エシャロット、パセリ、胡桃、栗、プルーンを炒めたものを詰め、時々鶏に油をかけながら1時間近くじっくりとローストしました。中の詰め物が残ったらパンにのせて食べても美味しくいただけます。

焼きあがるまでは、前菜のサラダとホットワインでおしゃべりタイム。
赤ワインに、搾ったオレンジジュース、丁字・シナモンスティック・バニラビーンズなどのスパイスを加え、砂糖でほんのり甘さを加えたホットワインは、すぐに体が暖まり、風邪をひいたときなどにもお腹にやさしい飲み物として飲まれていることが頷けるものでした。

アーモンドクリームが入ったシンプルなパイは「ギャレット・デ・ロア」Vol.8でも紹介しています)。切り分けたパイの中に隠された陶器のフェーヴが自分の中に入っていると、その日は王様になり祝福のキスをもらえるというストーリーつき。自分のパイにフェーヴが入っていると、何だか幸せが舞い降りてきたようなそんな気持ちにしてくれるデザートでした。

12月はクリスマスの料理教室が2回ありましたが、この日のメンバーは、お子様たちの学校の仲良しママ仲間の皆さまでした。まずはシャンパンでメリークリスマス!その後もワイングラスを片手におしゃべりが尽きなくて、いろんな話題に花ざかり。クスッと笑えるお話に笑顔がはじけ時間が経つのも忘れそう。「あ〜、楽しかった!」の一言でお帰りいただき、私たちスタッフにとっても一緒に楽しませていただけた素敵な1日でした。(Tomiko)


2004/Dec.
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Saison de Noel(Vol.40)


decembre. 雨のち雪。
巴里の景色を想像する時、その街には一番良く似合う季節がある。春のマロニエも、夏のセーヌ川も、秋のリュクサンブール公園ももちろん好きだけれど、それ以上に冬の厳しい寒さの中をノエルのイルミネーションが彩る巴里の街は格段にこの街らしさを引き立ててくれる。デパートのショーウィンドウには子供用の豪華なデコレーションが施され、シャンゼリゼでは横断歩道の真ん中でつい立ち止まってしまう。

フランスのノエルは皆家族と共に過ごす。この時期、この街のデパートは贈り物を買い求める客で大賑わい。家族の皆に贈り物を用意するのがこの国の習慣なのだ。袋に何個も、綺麗にラッピングされたプレゼントを持って帰宅する背広姿の男性、絵本の前で議論を続ける夫婦、贈り物のショッピングを楽しむカップル。メトロの中で、ふと贈り物らしき袋を手に提げる人を見つけると、嬉しくなる。白い小さな箱にピンクのリボンがかけてあったなら、娘に送る香水かな。とか、シックな色の細長い箱であったなら、ネクタイ?と思ったり。ノエルに向けて想像力が膨らんでゆく。

巴里にはじめてきた時から、私の中でボン・マルシェは特別な存在だった。どこか、他のデパートとは異なる雰囲気があって、デパートなのだけれど、買い物に行くというよりかはむしろ、フランスの素敵なものを見に行く。ここに行けば良質な巴里らしい何かが見つかると心のどこかで、感じている。左岸のマダムに出会えるのもこのデパートの楽しみの一つ。

ノエルの季節。巴里に来る機会に恵まれたなら、まずボン・マルシェへ足を運んでみてください。ノエルのデコレーションに囲まれて、一つまた一つと贈り物を手にする巴里の人々を見ていると、外国の地に居ながらも何か暖かな、ノエルの日に囲むであろう食卓であったり、ブッシュ・ド・ノエルであったり、ろうそくのオレンジの光であったりを、彷彿とさせてくれるのです。

それでは皆様。Joyeux Noel.
家族と共に、そして日本であれば恋人や友達と共に素敵な時を。
(Tomo)

Le Bon Marche
metro Sevres Babylone
22,rue de Sevres 7e

ボン・マルシェ ショーウィンドー

2004/Dec.
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出会いとチャンス(Vol.39)


クリスマスカードや年賀状を書く時期となりました。時の経つのが本当に早い。そう感じさせられるのが師走です。この頃になると、1年の生活を振り返りいろんなことを考えます。

今までに転機と思える出会いやできごとが何度かありました。そのつど流れに逆らわず素直に前に進んだときもあれば、自らそれを断ち切りそこに飛び込む勇気が持てないこともありました。
もしあの時こうしていたらという、もうひとつの実現できなかった人生に嫉妬をしたりあせったり。きっとその頃は自分に自信がなかったのであきらめが早すぎたのだと思います。

今は自信が持てる日常というわけではないけれど、はっきりと言えることがあります。それは「出会いを大切にすること」と、「とにかくやってみること!」です。日常に出会いとチャンスはころがっているはず。それを自らつかむか通り過ぎてしまうか。

パソコンとの出会い。
私は今、パソコンの出張サポーターとエスカリエ・セーのスタッフとしてホームページを担当しています。まさかパソコンを使った仕事に出会えるなんて夢にも思いませんでした。パソコンを本格的に使い出したのは4年前。それまでは、ワープロソフトやインターネットをただの趣味で触っている程度でした。

あるパソコン教室で、パソコンを使うのが初めての人にその使い方を教えるお手伝いをしたことがきっかけで、インストラクターという仕事をすることになりました。その日からしばらくの間は、1日のほとんどがパソコンに向かう日々となりました。でも、思いきってその依頼を引き受けたおかげで、自らのスキルアップにもなり、たくさんの生徒さんと出会い、このようにホームページ作成にチャレンジできる機会にも巡りあうことができました。当時のことを振り返り、とにかく必要に迫られてやるしかない状況を作り出すことも自らの可能性を広げていくことにつながるんだと思いました。ちょうどあの頃の私は、何かに突き動かされたように日常の変化を模索していた時期でした。

マダム谷川との出会い。
自分の気持ちが前向きな時にはパワーのある人と出会えるものです。エスカリエ・セーのオーナー、マダム谷川との出会いは、オープン前の初めての買い付けにパリに同行させてもらったのが、後にスタッフとして迎えてくれることになったきっかけでした。自分の生活スタイルに哲学を持っているパリで日常生活を送ったオーナーは、帰国後、その洗練されたスタイルを「エスカリエ・セー」というショップに実現しました。

主婦であった彼女が、自分のショップをオープンするまでの決断力と行動力はとても迅速で、あっという間に前からの夢をかたちにすることができました。そんなにも強い衝動に駆り立てるものがパリにはあるのでしょうか?そんなにもパリというのは、見えない力を自分に与えてくれる場所なのでしょうか?私は、もっともっとパリを知りたいと思いました。そして、その見えない力を自らも感じたいと思いました。

ネットファンとの出会い。
ホームページを開設して1年あまり。今年の8月にネットショッピングもオープンしました。ネット販売を始めるにあたっては、レンタルサーバーでお世話になっているネットファンのオーナー小坂さんには大変お世話になりました。初めてのホームページ運営なので、奥深くなるとぶつかることも多く、そのつどアドバイスをいただきました。

小坂さんは、パソコントラブルに自宅まで出張訪問するパソコンエリアサポーター(通称PAS)の統括と、サポートを受けたいお客さまの依頼を受けつけインストラクターを派遣するという、全国規模の画期的なサポート体制を構築された方です。つまり需要と供給をうまくマッチングさせたシステムなんです。小坂さんは、あらゆるトラブルにも迅速に対応でき、常にポジティブな意見を発信してくださいます。そこには人間味あふれるやさしさが感じられます。私たちサポーターにとっては心強い存在であり、また、お客さまを大切にするということはどういうことかを常に考えています。

これからパソコンを使って仕事をしたいと思っている方には、サポーターとしてPAS登録する価値があると思います。きっと自分のスキルアップにもつながるし、収入アップにもなることでしょう。また、パソコンで自分の分からないことだけに答えて欲しいという方には、ぜひお近くのパソコンエリアサポーターにサポートをお願いしてみてはどうでしょうか?きっと疑問が解決できると思います。【http://www.netfan.cc/】 

出会いとは刺激的で自分の内面を磨いてくれる宝物。これからも、人だけではなく日常のあらゆるものとの出会いを大切にしていきたい。そして自分を高めていきたい。パリのマダムのようにエレガントな女性をめざして。(Tomiko)
2004/Dec.
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Village St.Paul(Vol.38)


dimancheの冬空。
巴里の冬は長い。ここ数日はいつ空を見上げても青空は現れない。私の大好きな飛行機雲も冬の厚い曇り空に隠れて、久しくお目にかかっていない。しとしとと雨の降る日曜日。いつもなら、アトリエの中で一人ぬくぬくとしている私も久しぶりに新しい靴を買ったので、出掛ける気になった。
玄関で私を待つのは、紺と赤とホワイトが絶妙なバランスでパッチワークされたバレエシューズ。まだ巴里の石畳を知らない、私の小さな靴とともに自然と足の赴くままに日曜日の散歩は始まる。

巴里の日曜日は、日本とは違い静寂に包まれる。人々は、カフェでゆっくりと本を読んだり、窓の外を眺めたり、いつもは人でいっぱいのカフェのカウンターも日曜日には空っぽで、店の亭主も「日曜日何だから」と、いつものカウンターの常連客に椅子をすすめる。

カフェを出て久しぶりにマレへ行く。日曜日のウィンドウショッピングはマレに限る。他の地区と違って、ここは日曜日でもお店が開いているから。小さな路地を抜け、真っ白なアパルトマンの中庭に出る、白地のアパルトマンの中に、ピンクやオレンジ、ワインレッドやパステル調の明るい色が見える。回廊の中にふと見つけた小さな帽子屋さん。壁に掛けられた鏡の前で、一つ二つと帽子を吟味していると中からマダムの声が聞こえる。「カフェはいかが?」小さな彼女のお店の中は色とりどりの帽子や小物、テキスタイルで溢れている。どことなく色彩というものは、暖かな空気を運んできてくれる。窓辺に飾られた桃色のフェルト帽。外の空気の冷たさをふと忘れさせてくれる。

一杯のカフェと共にマダムのおしゃべりが始まる。建築家の旦那さんと共にこのお店を始めたのは、今年の六月。もともとマダム自身は、グラフィックデザイナーとして働いていたこともあり、モード界とのつながりは強い。ここへお店を出す前は、オートクチュールのグランド・メゾンへ帽子や小物を提供していたのだとか。もちろん彼女自身の技術も目を見張るものがあるけれど、それ以上にテキスタイルへのこだわり、色の選び方には彼女の個性が光る。この小さなアトリエから東京・ニューヨークと世界へ彼女の作品が羽ばたいてゆく。パリの色彩が、この小さな街を抜けて、飛び散ってゆく。

一杯のカフェのお礼に、小さなピンブローチを購入。彼女が帽子を作ったあまり布で作るブローチは、それぞれに違ったパリの色を重ねる。暖かなフェルト地のパリの色。長い冬を共に過ごす、シンプルなベージュのコートの襟元にそっとパリの色を足すのです。(Tomo)

Brykalski (Mme.Veronique)
Village St.Paul
9 rue St.Paul 75004
01.45.49.32.12

帽子
帽子2
2004/Dec.
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オーロル=キャプシーヌ(Vol.37)
 【AURORE CAPUCINE】


ノトル‐ダム・ド・ロレットやル・ペルティエ、カデの駅の辺り、9区はいまだにのんびりしたパリが残っている地域です。旅行者もあまり通らず、絵描きや物書きがひそかに日々を送っている。

通りを歩いてぱっと目を引くあまりに美しい色とりどりにみな足を止め、そして扉を押す。それは1800年代のブティックを改装した一軒のパティスリー。鏡張りの壁に色鮮やかな花を使ったケーキやサブレが並びます。ルイ14世の時代にはバラやスミレやラヴェンダーなどのお花をつかった豪華できらびやかな宴が夜な夜な行われていたそうですが、それらの花の成分は美のために効果を発すると。

紫色の三角型ラヴェンダーのガレットにローズの丸いガレット、黄緑色のピスタチオのマカロン。たくさんのフルーツが盛り込まれたケーキに、オレンジのタルト、黒に程近いほど濃厚なチョコレートのホールケーキと花びらをあしらったローズとフランボワーズのマリアージュと名のついたケーキ。

パティシエ、ムッシュー・ジャン=フランソワ・プチはその昔、フォションでお菓子作りをしていたという腕前。美しい笑顔のマダム・マリ=オディール・プチが次々に立ち寄る訪問客を笑顔で向かえ、色とりどりのお菓子を美しいうす桃色の包みに入れてくれる。ここでは、ほとんどのレシピがオリジナルで15年以上続くこの店でゆっくりと完成されたものばかり。お菓子の美しさに魅かれ、そしてその味の虜になり、桃色の包みを持って家に帰り、友達のうちを訪ねる。味はもちろん、目の喜びももちろん、美しい包みを持って、道をあるくときの小さなどきどきとしたあったかい気持ちを大切に思う。とマダム。

お二人の名前のようにフランスには二つの名前を掛け合わせたものをノン・コンポゼというのですが、お店の名前、オーロール=キャプシーヌは「夜明けの輪舞」という、リセに通う娘さんのお名前からとったものだそう。

素敵な一家の特別な色を買いに。(Aya)

AURORE CAPUCINE
3 rue de Rochechouart 75009 PARIS
01 48 78 16 20


2004/Nov.
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斉藤千鶴さん料理教室 (Vol.36)


11月10日、エスカリエ・セーにて「Room1022」のオーナー斉藤さんのお料理教室がありました。
メニューは、キャラウェイシードのフーガス・キャベツと長ねぎのくたくた煮・柿とカッテージチーズのサラダ・チョコレートのデザート。

キャラウェイシードとはセリ科のハーブ。甘くさわやかな芳香があり整腸作用もあるので、キャベツ料理・ビーフシチュー・パンやケーキなどに使われるようです。今回は、葉っぱの形をしたパン生地に練りこんで焼きあげました。その名が香り豊かなフーガスです。

くたくた煮は、今回は、普段よく使う白ねぎより太いポロねぎを使いました。火を通すほど甘みが増すポロねぎと、型くずれがないように芯を落とさずくし型に切ったキャベツと共にお鍋に並べ、ひたひたのお水・コンソメとバターで煮るだけ。私もこのメニューは作ったことがあるけれど、バターは入れたことがありませんでした。何だかねぎの甘みとコクが増したように思いました。ちょっとした隠し味が素材を引き立てるのですね。

また、サラダの上に振りかけたカッテージチーズも手作り。60℃に温めた牛乳200CCにレモン汁(大さじ1ぐらい)を入れてかき混ぜていくと、みるみる分離していくではありませんか。その液をこして軽くしぼるとできあがり。今まであまりカッテージチーズは使いませんでしたが、これからは自宅で簡単に作れそうなことが分かったので早速試してみようと思いました。

チョコのデザートも超簡単。溶かしたビターチョコと泡立てた生クリームを混ぜて冷やすだけ。上にかけたラズベリーソースはこれもまた簡単手作り。ソースの甘酸っぱさがプラスされ、ワンランクアップのデザートに。

そう、斉藤さんの作るお料理は、誰でもできる簡単お料理です。だから、すぐに自分でも作ってみようと思います。ちなみにその日のわが家の夕食は、くたくた煮と柿とカッテージチーズのサラダでありました。

しかし、簡単にできるといえども、ちょっとしたコツで随分と味が違ってくるんですね。素材の切り方、彩り、奥深いお味。斉藤さんの作るお料理は、合理的であるけれど、素材が持つ力を大切にし、長年の経験からくる舌の確かさが、とにかく訪れたお客さまに「美味しい〜」とうならせる素朴なお味なんです。ご本人は決してベジタリアンではないとおっしゃっていましたが、野菜をふんだんに使ったお料理が特にお好きなんだとか。皆様もぜひ一度「Room1022」を訪れてみてください。レシピも快く教えて下さるそうですよ。

食べることは生きる源。美味しいお料理はみんなを幸せな気分にしてくれますね。笑顔で食卓を囲めるようにもっとレシピを増やしていこうっと。(Tomiko)

【Room 1022】
三鷹市井の頭4-14-11
TEL 0422-48-8642 水休



2004/Nov.
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わが青春のサガン(左岸)(Vol.35)


私は、さしてフランス好きな少女だったわけでもないけれど 二つ年上の従姉の影響で高校一年のときフランソワーズ・サガンを片っ端から読んだ時期がありました。
私と同様大人にあこがれる同年代のパリジェンヌ、"悲しみよ、こんにちわ”の主人公の世界は、けれども、とてもオシャレで遠い世界のお話でした。南仏の別荘、日がな一日プールサイドで過ごすとてつもなく長い休暇。 アンニュイだとか アマンなんて言葉もこのサガンの世界で初めて知りました。
  
その後、ひょんなことから大学でフランス文学を専攻する私は、わずか半年間パリ左岸・カルチェラタンにあるデカルト通りで暮らします。毎日ソルボンヌ大学の語学学校に通い 夜は友人とカフェでコーヒー1杯での長いおしゃべり。バスや地下鉄にさえ滅多に乗らず、パリ中どこへでも歩いて行きました。 時には突然止まる友達のポンコツ車でお出かけ。でも、帰りはサンミッシェル大通りやパンテオンの坂道をみんなで汗だくになりながら押す羽目になるのでした。毎日同じセーターに腕を通していても、気分はまるで「ジーン・セバーグ」だった気がします。

あの頃とは違い、今ではパリである程度欲しいものが手に入り、美味しいものを食べ、南仏やアルプスでのヴァカンスも何度も経験しました。けれど、つつましく暮らしたカルチェラタンの日々は私の心の中でいつまでもきらきらと光るかけがえのないときなのです。

そんなことをふと思いながらシャルル・ドゴール空港を飛び立つと、機内でフランス誌の小さな記事に目が留まりました。 フランソワーズ・サガンに関する記事です。

"Francoise SAGAN est morte, et St.Germain des pres est un peu fini..”(サガンが死んでサンジェルマン・デプレのひとつの時代が終わった・・)

サガン(左岸)は遠くなりにけり。(Ryoko)


デカルト通りの壁画

サンミッシェルの教会

2004/Nov.
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パリでナミダ(Vol.34)


私達のParisのはじまりは雨の日のOpéra Garnier。シャルル・ドゴールからのRoissy Busの発着場所がここにあるのは、おちゃめなフランス人私達旅行者を驚かすため!? なんてふと後から思ってみたりして・・・。

今回の旅で以外にも私は2度、涙を流すこととなる。

一度めは、Opéraへ向かう途中のメトロで。Parisのメトロには何らかのパフォーマンスを披露し、集金をする人々がたびたび乗り込んでくるのだが、この日もおもむろにおじさんがトランペットの演奏を始めた。ところが、このおじさん、とびきりにうまいのだ!車内の空気を一瞬にして変えてしまう程に・・・。曲が「聖者の行進」に変わった途端に、私の目からぼろぼろと涙がこぼれおちてきた。一番びっくりしてしまったのは自分で、けれども一度流れ落ちてきた涙はなかなかおさまらない。異国の電車でホームシックにかかったとか、そんな理由ではなくて、おじさんのトランペットと聖者の行進と車内の人々の様子全てが私の感情の波をあおったのだ、と今は思う。優しいParisの人々は、きっと気がついていたけれど、みんな知らんぷりをしてくれた。もちろんこの時ばかりは心をこめておじさんにユーロコインをチャリン☆。

後の一回はというと、marie(私の旅の共)と近所の教会の礼拝にもぐりこんだ時のことだ。鳴り響くパイプオルガン(圧巻!)と共に賛美歌の合唱が始まった。一緒に起立し、そのあまりにも透明な光景にしばし呆然としていた私達だったが、その最中、突如として再び私の目から涙があふれ出てきた。きっと理由なんてないのだと思う。あるとしたならば、そこがParisだったかもしれない。隣のかわいい子供だけが不思議そうに私を見ていた。日本にいる時音楽で泣いた記憶のない私だったのに。Parisへ行くことがあるならば、ぜひ教会へ行って、そして機会に恵まれたならばパイプオルガンの演奏を楽しんでいただければと思う。私でなくとも涙があふれ出てくるかもしれません・・・。

こんな事を書いてしまうと泣いてばかりの旅のようですが、私が一番最初にParisで覚え、かつ、くる日もくる日もあきる事なく発し続けた言葉は・・・Une demíe baguette sílvous plait.(パンを半分ください!)でした。

それでは、皆様 Bon Voyage!(Sanomi)

   
パリのアトリエ
2004/Oct.
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ビーズ(Vol.33)
画用紙を買うことは
色を買うみたい
好きな色をひとり占めした気分になる

パリの蚤の市
ビーズ屋さん 
私の瞳に拾いきれないほどの色の粒
これってひとめ惚れかしら
心にガツンときたわ
ずっとビーズを見ている私のことを
向かいの店のムッシューが笑っていた

欲しい色を手に入れて帰った
こんな贅沢ってないとおもう

ピンク色も買った
女の子の大好きな色
この色をひとり占めしてることは
女の子たちにずっとヒミツにしていたい

(Mari)
2004/Oct.
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Simone d'Avray(Vol.32)


夕方の夕暮れ空。青+赤。
九月。朝目覚めると、懐かしい冬の香りがする。秋という季節はそれ自体で一つの季節といいがたくて、どこか冬を待つ寂しさが残る。さくさくと乾いた秋の葉の上をブーツで踏みしめる。行き先の分からぬ散歩がこの季節には似合う。季節自体が寂しさを抱えているせいか一人ぼっちがむしろ楽しい。

久しぶりに左岸へ出かける。秋の似合わぬサンジェルマン・デ・プレ。
駅を降りればそこにはサンジェルマンデプレ教会。そしてその脇には二つの老舗カフェ。カフェ・ド・フロール。ドゥ・マゴ。かつてはここから多くの芸術が飛び立っていたのであろうが、いまはその跡形もなく、観光客のメッカ。

その脇の車も通れぬような路地を入ってゆく。少し行くと、美しい宝石がちりばめられた小さなショーウィンドウを見つけ、ふと足を止める。ここが彼女のお店。マダムシモンの指先から一日少しづつ作品が生まれる。ショーウィンドーの奥の赤い扉を開ければ、彼女の小さな小さな工房に辿り着く。椅子と机でもういっぱいの彼女の空間に招待され、中へ入れば彼女自身が作業の手を止めて、今度は随分楽しそうに作品を見せてくれた。

お店のほぼ全ての作品は彼女自身によるもの。彼女のセンスで選ばれたカラフルな透き通る石を、丁寧に繋ぎ合わせていく。こちらがオーダーをすれば、その通りに作品を作ってくれ、壊れてしまったならば、どんなアクセサリーでも修理してくれる。

この小さな工房で一人黙々と作業をする彼女の姿は、芸術家というよりもむしろ職人のような風格がある。

工房を出ると、彼女の友人らしきお客さんが待っていた。弾むおしゃべりをする彼女を、窓越しに眺めると、素敵なアクセサリーを身に着けた左岸のマダムに戻っている。(Tomo)

SIMONE D'AVRAY
14,rue de l'Echaude 75006

2004/Sep.
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バースデーケーキ(Vol.31)


先日、娘の誕生日だった。料理は嫌いじゃないが滅多にお菓子づくりをしない私は、今年はどこのバースデーケーキにしようかと悩んでいた。

人気の定番、自由ヶ丘のモンサンクレールなら間違いなく美味しい。ここの辻口パティシエのロールケーキ専門店が自由通りのロール屋。クリームトロリの素朴なロールケーキはどうかしら?シンプルだけれど、ローソク挿したらバースデーケーキよね。それともロール屋の近くに、自宅がティールームになっているフレッシュクリームがあるけれど、そこでケーキを作ってもらうのもいいかも。でも自由ヶ丘店は、金曜日と土曜日しかオープンしていないのよね。う〜ん、やっぱり有名パティシエの芸術的ケーキ、深沢のル・パティシエ・タカギかな。でも、ここのは見ているだけでも美しいケーキを1個ずつ買って、「私はこれ!」って選ぶのが楽しいのよね。そうそう、ル・パティシエ・タカギの道をはさんでななめ向かいに、パティスリー・ナオキもあったわ。あそこはパティシエの仕事ぶりが目の前で楽しめるので、なんだかケーキにも親近感が湧いてくる。え〜と、どこがいいかなぁ。駐車場があるのでいいのは、柿の木坂のキャトル。フルーツたっぶりのバースデーケーキは見た目もキレイ!という具合に、あれこれと舌がとろけそうになりながら想像していた。

午後から料理の材料を買いにスーパーへ。息子も一緒に買い物についてきたのだが、勝手に何かをカゴに入れている。「何?それってケーキの材料じゃない?」「僕、バースデーケーキを作るわ」「そう、そうなの。じゃ、おまかせするってことにしようかな」。以前にもコラムに書いたことがあるが、やはりお菓子づくりが好きなようだ。いろいろと思い描いていた有名パティシエのケーキの数々は、またの日ということで・・・。今回は息子が作ったケーキを囲み、「おめでとう!」。ローソクを買い忘れたので、キャンドルの灯で「フー」。

弟から姉へのプレゼント。もちろんプロのパティシエのようにはいかないけれど、大人になっても弟に作ってもらったケーキの味はきっと忘れないだろう。いつもバースデーケーキは買うものだと思っている私だが、息子の誕生日ぐらいは、今度こそ作ってあげなくてはダメかしら?(Tomiko)

2004/Sep.
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ロザリンヌ・デラクール(Vol.30)


 一人の女性がいて。彼女は写真を撮り、子供を育てたり、散歩をしたり、絵を書いて、そして、山に登り、お茶を飲みます。
 彼女はロザリンヌ・デラクールといいます。
どんな名前だろうとどんな姿をしようと彼女は彼女の中に取り込んだ何かを何かに変えるヒトです。例えば彼女の撮った写真は時に宇宙のようだったり、見たこともない風景なのにひどく懐かしくヒトに訴えるものであったりします。
 彼女の撮る木々や海の波また波は遠く遠く続いて、二つの目で見るものよりも彼女はぐっとそれらに近づいて、あまりに近づいて。それは途方もない気持ちにさせるのです。けれども、月面のように無機質に見えるその風景は頭の中のイメージである「海」「木」を越えて、動くもの、生きているものとして静かに、しかし、ものすごい力でこちらに近づいてくる。もう一歩そばに寄り、もう一秒長く何かと出会うとき、それはその方からやってくる。そのときを彼女は写真に納めました。
彼女の写真展が東京であります。
彼女に会いに行って、一歩、近づいてみてください。(Aya)


ロザリンヌ・デラクール(Rosaline DELACOUR)写真展
■2004 10.1-11.14
■GALLERY 21 ギャラリー・ヴァンテアン
■ホテル グランパシフィック メリディアン 3F 
■東京都港区台場2-6-1 ゆりかもめ台場駅下車正面 PHONE 
■03-5500-6711

■Le Meridien Grand Pacific Tokyo
 3F 2-6-1 Daiba, Minato-ku, Tokyo
■http://www.klee.co.jp
2004/Sep.
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Melons de Cavaillon(Vol.29)


南フランスのメロンは最高に美味しい!日本でメロンというと食後のデザートですが、フランスではむしろ前菜として登場します。クリーム色の球形にうす緑のライン。二つに割ると艶々と蜜をたっぷり含んだオレンジ色で、日本でいうところの「夕張メロン」に近い。スーパーやマルシェで1個1ユーロ程度で売っていて、横半分に切って種をくり抜いたMelon nature、くり抜いた穴にポルト酒を注いでMelon au porto。友人のYolaineの家の夕食では、その穴に青リンゴのシャーベットが入っていました。シャンパンのシャーベットもとてもよく合います。

一番有名なのは、南仏プロヴァンス・リュベロン地方にある町Cavaillonのメロン。南仏ジリジリとした暑さにひんやりと良く冷えたメロンの喉越しは気持ちよく、心と体をホッとさせてくれます。かくして久し振りの夫婦2人の私たちの夏休みは、ひたすらメロンの日々なのでした。
(Ryoko)

 

2004/Sep.
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マダム・ソランジュ・マジェール(Vol.28)


ざわざわとした入り口の偽物には目もくれずどんどん進んで行くと一軒の小さな宝箱がある

クリニャンクールの蚤の市は、その昔、たくさんのアンティークの家具や洋服やボタンや生地を売る店で溢れ、丹念に仕事が施され,そして年を重ねていくことである種の怪しささえ醸し出す魅力でいっそう人をひきつけるような物たちが、それぞれの物語を持ってそこにたたずんでいた。

それに魅せられた者たちが狩人のように週末に足を運ぶ場所であった

もちろん今でもそれは存在しているが、偽者や簡単に作られすぐに捨てられるものがその市の入り口で訪れる者を戸惑わせ、茨となって行く手を阻むそこであきらめず、なお、より奥へと進む者だけが行き着くことのできる場所がある

その店はそこにある
50年代の薄いブルーのコットンのシャツやウールのパンツや軍服や肩章のついたジャケット、絹のパラシュートの生地で作られたシャツ、
特別の生地と糸とボタンとで作られたものは古びない

店の女主人はマダム・ソランジュ・マジェール彼女から醸し出される強さそこから導き出された優しさ

彼女の目で選び、大切に残されたものを本当に気に入り、そして似合う人のために彼女は店を開き探求者を待つ。
(Aya)


2004/Aug.
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plaisirs de Paris(Vol.27)



7月。晴れのち雨。
パリの石畳。東京を闊歩したあのピンヒールも出番を失う。公園に行くときもセーヌ河を散歩するときも私はこの街を初めて歩いたときと同じ、愛用の革靴で出掛ける。パリの石畳は何とも歩きにくくて、大好きなハイヒールはアトリエのクローゼットの中でとっておきの出番を待つ。

パリの楽しみ。とっておきの時間。東京にいた頃のそれよりもずっと大人びていて、それでも私の手の届く所にきちんと存在している。夕方、久しぶりに私のクローゼットの中から選ばれたのは黒のイタリア製のワンピース。そして、フェミニンな黒のピンヒール。行き先はOpera Garnier。

パリには二つのオペラ座がある。オペラ・ガルニエとバスティーユ・オペラ。どちらもパリのシンボル的な建築。ガルニエは主にバレエを、バスティーユは主にオペラを公演している。東京にいた頃には、母とともにちょっと頑張って渋谷の文化村あたりに一年に数回足を運んだ。それがパリでは月に何度かオペラ座に出かける。もちろん、それは日本よりもずっと安くチケットが手に入るということもあるけれど、それ以上にバレエやオぺラを見に行くことが日常の娯楽としてきちんと組み込まれているゆえだと思う。人々は、映画の中の俳優の名前を知っているように、オペラバレエ団のエトワールダンサーの名前を知っている。そして、この間のバレエの誰が良かった、悪かったと友達の間で話すのだ。

夕方7時。夕暮れの柔らかな光に変わる前にパリの楽しみは始まる。私のお気に入りは二階席。それぞれが小さな部屋に分かれている。中に入ったなら、まずは自分の扉を探す、濃い木目調の扉の上に金字でナンバリングがされている。自分で見つけたならば、係りの人を探し、その部屋の鍵を開けてもらわねばならない。一つ一つの部屋にはそれぞれに鍵がかかっていて、中に入ればちょっと豪華な自分の空間のよう。もちろん他にお客さんがいることが多いが、それでもたいていは一つの部屋に四人程度。

観劇を終えた後の私の小さな楽しみ。それは満足げに帰ってゆくパリジェンヌを眺めること。
普段はシンプルな装いの彼女たちも、ちょっと素敵な夜の装いをしている。それは、もちろん少し特別な夜のおしゃれを楽しんでいるのでもあるけれど、その装いは舞台に上がるダンサーたちへの観客としての最低限の敬意のようにも見える。
(Tomo)

2004/Aug.
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アクセサリー workshop (Vol.26)

7月23日(金)、24日(土)に、「S’adoucir」のデザイナー waki ikue によるワークショップVol.4が開催されました。今回のテーマ「ヴァカンス」にふさわしく、夏のファッションをより素敵に飾ってくれるネックレスとブレスレットを作製することができました。

用意してくださったパーツを一つずつ手に取り、ナイロンコードに通していく作業は、少しずつ自分だけの作品として完成に近づいていく楽しみがあります。最後に留め具をつけて、コードの緩みや丸カンがはずれないようにしっかりとチェックをしていただき完成しました。

最近は、オリジナルアクセサリーをご自宅で作る方も増えてきました。私もやってみようかと思いますが、やはりプロにはかなわないですね。色とりどりのビーズや半貴石、淡水パールなど簡単に材料は手に入るようになったけれど、それをどう組み合わせたらいいのか全くイメージが湧いてこない。せいぜいキットを買ってサンプルどおりに作るしかできないでしょう。
今回も見守っていただきながらの作品づくりでした。

Waki Ikue アクセサリーには、オリジナルデザインのこだわりが感じられます。他にはないセレクトショップを目指している当店にはぴったりのアクセサリーです。お人柄にもよるのでしょうか、作者の温かい素顔と内に秘めた力強さが、オリジナルブランド「サドゥスィール」の作品に表現されています。自分だけのおしゃれを楽しみたい方にお勧めです。(Tomiko)

2004/jul.
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パリの色(Vol.25)
パリの色を思い出すと
楽しい絵ができあがる
フルーツの鮮やかな赤色
あじさいのピンクがかった紫色
パリジェンヌの青色のスカーフ・・・

頭の中に、見つけた色を詰め込んで
帰ってきた私の絵は、よくばりな色
とっておきの色で気分もいい
たくさん絵を描いたら
詰め込んできた色も、のこりわずか

もう一度パリに行きたい
街の中でひとめぼれ
思わず連れて帰りたくなる
私の欲しい色はパリにあるから
(Mari)
2004/jul.
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Le parfum (香水) (Vol.24)

先日、娘が17歳の誕生日を迎えました。一歩一歩大人の階段を上っている娘に、親として今年はまた特別な思いがあります。
  
それは、はるか彼方の私の誕生日が特別なものだったからかもしれません。
17歳の誕生日に、父は私を町で唯一舶来物を扱っているお店に連れて行ってくれました。
そして、香水の棚の中から 「自分の香りを選びなさい」といいました。目の前に今まで自分とは無縁だと思っていた小さな香水びんが、まるで宝石のように輝いています。「一度に5つ以上の香りをかいではいけないよ。」といわれ、随分と時間をかけて選んだ覚えがあります。

父と母は学生時代からの恋人同士でしたが、途中一度、小さな誤解から父は母に交際を断られ、一言も口を聞いてもらえない状態が1年ほど続いたそうです。そんな時、街で母と同じ香りを身につけた人とすれ違う度に、母への思いが募ったそうです。そんな話をしながら、女性として自分の香りを持つことの大切さを教えてくれました。そんなことをいうとどんなにかダンディーで素敵な父親像ですが、実際にはいつも厳しい父でしたから、この日のことはまさにサプライズ・プレゼント。今でも鮮明に覚えています。

そのときに私が選んだ香り?!それは、Guy LaRoche の Fiji でした。
それから結婚するまで、私はフィジーを 「自分の香り」と決め愛用していました。
  
今では、あの頃と違い沢山の香水が手に入り、シーズン毎に新しい香りが発表されます。香水も日本人にすっかり定着し T.P.Oに合わせて香りを楽しむ人も増えました。
娘の誕生日を機に、私も 「自分の香り」にもう一度 立ち返るつもりです。そうして はるか昔に私を振ったボーイフレンドに、もしかして、今でも私の代わりにフィジーがどこかで敵をとってくれているかも・・・なんて思いながら・・・。
(Ryoko)
2004/jul.
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La petite plaisir 小さな喜び(Vol.23)


南の女は少し浅黒い肌にそばかすがたくさんあって、胸元の大きく開いた花柄のワン ピース、鋭いまなざし、少し男っぽい粗野なしゃべり方をし、おおきな声で笑うのが女の色気と力強さを程よく混ぜたような、その調合の具合がなんとも夏に似合う。

足を組んで椅子に座り、古い電話機で友達の恋の悩みに熱い忠告と励ましを送った後、 大きくため息をついてからこちらに気づいて、「こんにちは」とにっこり笑う彼女の店は、小さなテーブルのある喫茶店。 テーブルの上には小さな花が小さな瓶に生けてあって、大きく口をあけるような銀色の丸い砂糖入れ。

「何にしましょう?」
「カフェ・オレをひとつください」

彼女がコーヒーを入れて、他にもちょっとした料理やお菓子も置いている。そして、店の半分には古い時代の洋服やかばんや靴が所狭しと並べられ、売られている。

これのなかには彼女の友人のデザイナーの作った洋服や懐かしい彼女の思い出が詰まった洋服や昔のワンピース、クレージュのスーツや毛糸のかばん小さな人形やアンティークの靴。

洋服を見に来るためだけに立ち寄る人もいればお茶を飲みに来た人もいて、彼女のおうちに遊びに来たようについつい話し込んでしまったりもする。

彼女の手作りの空間は、街の中でゆっくり時の経つ場所。(Aya)



2004/Jul.
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クレーム・シャンティー(Vol.22)


dimanche 青空 飛行機雲。
六月のパリは日本のような梅雨はなくて、からっと気持ちよい晴天の日が多い。たいていの日曜日はお店も閉まっていて、ショッピングに行くこともなく家で本を読んだり物を書いたりして過ごす。時には家の近所のヴァンセンヌの森に散歩に行ったりすることもあるけれど、それはほとんど稀でたいてい出かける先は家の近所のパン屋くらいで青空をもてあまして日曜日は過ぎてゆく。

六月の青空はどこかいつもと違っていて、ふといつもとは違う日曜日を私に提案してくれる。
六月の日曜日。ちょっとした遠足。久しぶりにパリを少し離れて、目的は甘い生クリームを食べに行くこと。フランスは実は生クリーム発祥の地。フランス語で生クリームのことをクレームシャンティーという。

パリ北駅から郊外電車で40分。シャンティーに到着。フランスはパリをほんの少し離れるだけで、小さな一軒家が並ぶ田舎町に変わる。ヨーロッパの田舎というのはどこか不思議な魅力を隠し持っていて、独特な雰囲気とともに私の思い出になる。草の香り。水分を含んだ空気。青空と草原の優しい色彩のコントラスト。

駅に着いたらシャンティー城を目指す。シャンティー競馬場の脇の森を散歩しながら15分もすれば目的地に到着。お城の中にもレストランはあるが、イギリス庭園の中にあるカフェがおすすめ。
メニューにはクレームシャンティーのみ注文できるようになっていて、苺タルトにたっぷりとクレームシャンティーをのせてもらう。元祖生クリームはどこか素朴で、嘘をつかない濃厚な味。苺の酸味とまったりとしたクリームが女の子を幸せにしてくれる。

六月の青空の下、贅沢な日曜日の午後がゆっくりとゆっくりと過ぎていく。パリから40分の幸せは、赤いチェックのテーブルクロスの上の甘い誘惑。(Tomo)


 2004/Jun.
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ア・ラ・プティット・ファブリック(Vol.21)


バスティーユ広場を少しばかり裏手に入ったところに一軒の小さなchocolatier(ショコラティエ)がある

水色の銀紙は72%のビターチョコレート赤の銀紙は85%のビターチョコレート
肌色の銀紙はコーヒーとくるみ入り銀色の銀紙はミルクチョコレート金色の銀紙はノワゼットいりミルクチョコレートグリーンの銀紙は抹茶入りのチョレート茶色い銀紙にはコーヒー入りビターチョコレート

ガラスの棚の奥にぎっしりと積まれた18種類もあるチョコレートたちを前に今日1枚を選ぶのは大変だ。淡く光る銀紙にどきどきしつつ、ついつい2枚3枚と。

フランス人では食後に夕方にコーヒーと一緒にチョコレートを食べる。チョコレートは子供のお菓子ではなく大人のとっておきの楽しみであり、一息つくにも最高の薬になる。そして、おいしい物にあれがえないここの人たちは1枚のチョコレートなんてぺろりと食べてしまうので、また次の週にも買いに来ることになる。

店のマダムは少し無愛想だけど。昔はきっと美人だったろう彼女が少しこぼした「笑顔はとても可愛らしく。いつもご機嫌なオーベ氏とコルシカト島からやってきた青年と共に毎日チョコレートを作っている。

メゾン・ド・ショコラやピエール・エルメのように高級で洗練された高級ショコラティエとはちがい小さな街のチョコレート屋さんといった店構えであるものの全工程を惜しみない手のかけようで作り上げたその味は近所の人にはお墨付き。その味は上記の高級店と並び賞されるもので、遠くからでも足を運ばずにはいられない。

この店を探してにぎやかな通りから少し迷い込んで1粒のチョコレートをお試しください。本当にいいものに出会うには少しの冒険が必要です。
(Aya)


2004/Jun.
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■紅茶の時間(Vol.20)


5月25日(火)にティーインストラクター高野ゆかり先生をお招きして「美味しいアイスティーの作り方」をお話しいただきました。今回のウェルカムティーは、アイスオレンジティー。オレンジの香りとミントの緑が美しくマッチしていました。まず最初に基本のアイスティーの作り方から教えていただき、その後バリエーションティー3種を一緒に作っていきました。

まずサーバーに紅茶を入れ、水道水をぐらぐらと沸騰させたお湯を注いだ後は、蓋をしてしっかりと蒸らすこと。その後、グラスに氷を入れて熱い紅茶を注ぎ、急冷させて作りました。急冷させることでクリームダウン(紅茶の中のカフェインとタンニンが結合して結晶化し、紅茶が白く濁ること)を防げるとのことですが、上質な茶葉ほどタンニンが多くクリームダウンを起こしやすいそうです。最初にグラニュー糖を入れておくことで、濁りにくくなるそうな。アイスティーに向く茶葉は、アールグレイ・ニルギリがお勧め。また、ティーバッグでの水出しが、クリームダウンを起こすことなく透き通ったアイスティーを入れるには簡単だそうです。

バリエーション3種は、一つは、グラスに入れたアイスティーの上にグレープフルーツジュースを注いだもの。酸味の効いた爽やかな気分になれるアイスティーです。2つめは、ロイヤルミルクティー。グラスに入れたアイスティーの氷の上に薄く生クリームを浮かべるように入れた後、静かに牛乳を注いで出来上がり。3つめは、アイスティーにぶどうジュースと炭酸を入れ、くっきり層に分かれるところが見た目に美しく、ちょっと遊び心があって面白いアイスティーでした。

お楽しみのティータイムでは、ダージリンティーの中でも香り高い春摘みの「ファーストフラッシュ」。高野先生は、この茶葉はクッキーやケーキよりも和菓子に合うと言うことで、羊羹とダージリンの寒天が2層になっているお菓子を用意してくださいました。

高野先生は映画がお好き。映画の中の「お茶」のシーンに心が奪われるとおっしゃいます。次回は、映画のワンシーンからお茶にまつわるお話が聞けるかも。(Tomiko)

◆アイスオレンジティー
◆アイスグレープフルーツティー
◆アイスロイヤルミルクティー
◆アイスグレープソーダティー
◆ダージリンティーと和菓子

2004/Jun.
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マダム谷川料理教室(Vol.19)


5月14日(金)にマダム谷川のお料理教室が開催されました。
今回は、カリフラワー・ジャガイモ・ポロねぎなどのトロ〜リまろやかスープに、メインは、牛豚合びきミンチとオリーブオイルで炒めたナスを交互に重ね、湯煎にしたオーブンで40分焼いてでき上がり。上からかけるトマトピューレを使ったソースがポイント。このソースは、茹で上がった熱々のパスタにかけても美味しそうです。ワイングラスを傾けながらのお食事のあとは、ライム入りの冷たいデザート。お口の中でフワリと溶けて、ライムの香りが効いていました。これは、前日から作っておけるのがいいですね。

ワンポイントを交えての講習は自宅で作れる簡単レシピで、マダム谷川とのおしゃべりを楽しみながら作っていきます。ちょっとしたお客さまにも喜ばれるメニューです。次回は、どんなメニューでしょう?どうぞお楽しみに!(Tomiko)

2004/May.
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ドラジェ(Vol.18)


五月。夕暮れ。パリ。
ここ数日、随分と暖かなパリです。まだまだ外は明るいからと、友達とカフェでおしゃべり。ついつい居心地のよさに長居をしてしまう。外は青空で、もう何時間たっただろう。

ギャルソンに声をかけられ、やっと重い腰をあげて家路につくと、もう八時をまわっている。近所のスーパーも閉店で、夕食の心配をしてみたりする。それでも、太陽が本当に沈むのは十時近くになってから、カフェを出た後セーヌ川沿いを散歩する余裕は十分に残っている。

太陽が傾いて、暖かなオレンジ色の光に変わる四時。そして、数時間ずっと夕暮れが続いて、
九時を過ぎた頃やっと、透明な青い闇に包まれる。そんな時間にセーヌ川沿いを散歩していると
太陽の光が水面に反射して、印象派がこの地で生まれたことに納得する。

そんな夕暮れ時、小さなお菓子屋さんをみつけた。今回紹介するのはフランス生まれの素敵なお菓子。ショーウィンドーに飾られた、美しいラッピングに惹かれて中へ入る。品の良さそうなマダムがボンジュールと挨拶してくれた。そのショコラが欲しいのだけど、と伝えると、さすがおしゃべり好きなパリマダム。早速説明を始める。

美しいラッピングに包まれたのは、ドラジェというお菓子。フランスでは結婚式の引き出物の定番なんだとか。アーモンドを砂糖で包んだ、小さな一粒。フランスにお似合いな青や黄色のパステルカラー。アーモンドはぶどうのようにたくさんの実をつけることから子宝を意味するという。

たいてい包み紙の中には、五粒のドラジェがくるまれていて、健康・長寿・財産・繁栄・幸福という五つの願いが込められている、という説明を終えたマダム。今度は小さな紙切れを見せてくれる。白地の小さな紙の上には金字でジョアンナとジェロームの文字。これも付けておくわね。とドラジェとともに手渡してくれた。2003年9月13日。この日に誕生した一組のカップル。

偶然出会った、過去の結婚式に想いを馳せて。すっかり太陽の沈んだセーヌ川沿いを歩く。
日本はそろそろジューンブライド。小さいけれど、心のこもった五粒のドラジェと共に幸せを
祝うはいかが。(Tomo)






2004/May.
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小さな幸せ(Vol.17)


日曜日の朝は少しだけ寝坊をする。リビングに降りると、なんだか甘〜い匂いとオーブンの音がする。「まあ、いつものことか」と気にもとめない。というのも、中学の息子が、ここ1年あまりクッキングに目覚め、特にお菓子づくりには興味を持っているようだ。これが高校卒業あたりでもまだ続いているようなら、パリに留学してパティシエになるのも悪くはない、と親は密かに思っている。

しかし、今日はなんだか様子が違う。姉までもが手伝って、なんだかバタバタと忙しい。私はその横でテレビを見ながら、トーストとカフェオレの遅い朝食を取っていた。ほどなく「お母さん、ここに座って」と促されテーブルにつくと、そこには生クリームがベタッーと塗りつけられたイチゴのショートケーキ、それにハーブティーが用意されていた。「お母さん、いつもありがとう」。
えっ!今日は何の日?そうか、そうだったのか〜。少しだけウルウルと・・・。

ハーブティーは、お店の商品。1袋に3種類のハーブがブレンドされている。今回は、バラ・ウスベニアオイ・レモングラス。その名は「タンドレス」。ちなみにその意味は「やさしさ」。かたくなな気持ちがスッーとほぐれていくような、そんな嬉しいひとときだった。

その後、台所に足を運んだ私は、クリームがついたヘラやボールを洗うことになるのだが、「お料理は片付けまでしてお料理をしたと言えるのよ」といういつもの一言は、今日だけはぐっと我慢をしたのでありました。(Tomiko)




2004/May.
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ユーヌ書店(Vol.16)
サンジェルマン・デ・プレ教会に程近い大通りに面した一軒の本屋さんリブレリー・ラ・ユーヌ。
パリの本屋さんのほとんどは雑誌は置かず、純粋に本を売っている。それぞれの本屋さんに得意の分野があって、それぞれのディスプレイや特集が組まれている。一冊一冊が美しく装丁され、並べられ、ついつい長居をしてしまいます。

この本屋さんの一階には文学、詩、人文科学の書籍、2階にはアート、建築、グラフィック、写真などの書籍を取り揃えられ、光のあふれる空間に所狭しと本が並べられていて、その前をゆっくり歩き、これこそはという一冊と出会うのを待つ。

レジの前に並べられたとりわけ個性的な本たちはアーティストの持ち込みの本で、薄っぺらの紙でできた冊子や自ら装丁した本。それぞれの思うがままに生み出されたバーコードのついていない本。大量には作れないけれど、本を通して人と出会うことを待ち望み、もうすでにその本がアーティストから独立した一個の生き物のごとくそこにある。

第二次大戦以降からここにあるこの本屋さんでは、お隣の「カフェ・ドゥ・マゴ」や「カフェ・フロール」に集まる何かの作り手たちのエネルギーに共鳴し、それを今日までも続けている。店員さんたちも本を愛し、ほんの可能性を知っていて、それを通した人の出会いに立ち会うのを楽しみとして働いている。町の本屋さん。もちろんどこかの出版社のキャンペーン用エプロンはつけてはいない。天気雨の多い今日この頃のパリで、雨上がりに一冊の本を手に、また街に繰り出すのも悪くない。(Aya)

2004/Apr.
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Mon Paris 2 (Vol.15)

  パリは 私にとって とっても居心地のいい場所。
 東京は 便利だけど息が詰まる。

  どうして? 異邦人である気楽さなの?
 きっと パリにいると 自分の心地いいことを優先できるから・・・
 それは、とっても些細なことだけど・・・ 
自分がどう装いたいか、単純に好きな色、自分を
 キレイに見せてくれる形を選ぶことができる。
 東京では、そうはいかない・・・とりわけ40代の女性は。
他人にどういう印象をあたえるか・・・
 どう思われるか・・ それが最優先。
  
 だからパリは、私が私でいられる場所。
 昨日着たセーターにまた腕を通す。私が、解放されていく・・・
   すべては、私が決めること。(Ryoko)
2004/Apr.
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パリで見つけたアムール(Vol.14)


パリ。晴れ。dimanche.
ここ数日随分と春めいたパリです。プラタナスやマロニエの葉が太陽の光を受けて透き通るように青い。
こんな季節の散歩は本当に気持ちがいい。

今回はパリに落ちてたAmourのお話。Amour・アムール。日本語に訳すと愛とか愛情と訳されてしまうけれど、フランス語のアムールはもう少し軽くて、羽をつけて飛んでいけそうな感じがする。もともとパリというのはペイネの絵の世界のような淡いパステルの素敵な恋の物語を連想させるような街。今日見つけたのはそんなパリらしい素敵なアムールのお話です。

パリの街を散歩するなら、周りの景色もいいけれど足元を注意しながら歩くことも大切。もちろん犬の落し物に気をつけるためでもあるけれど、道路には色んな落書きともいえないような、素敵なアートが落ちているから。

マレ地区に行くと多く見られるAmourの落書き。
これはパリでもちょっと有名なお話。

これを道のあちらこちらに描いているのはパリのおじいちゃん。何年か前に妻を失った彼はそのときの寂しさを胸に、今度は自分が妻からもらったアムールを世の中の皆に分けてあげようと思ったことがきっかけなんだとか。本当にパリの街のあちらこちらでみつけることができて、私もこのお話を友人から聞いて初めてこの落書きを見つけたときはなんだか一日心がぽかぽかするようなそんな素敵な一日でした。
パリに来たならぜひ探してください。
小さな小さなアムールの欠片。
(Tomo)
2004/Apr.
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エスカリエ(階段)への想い(Vol.13)


お店がオープンして1周年。オーナーと共に、スタッフとして、またホームページ担当として、私も分からない中でのスタートでした。少しずつ口コミで「エスカリエ・セー」の名前が広まっていき、またマスコミからの取材依頼のお話もいただけるようになりました。雑誌「STORY(2003年8月号)」、「カフェスイーツ(2004年2月5日号)」、「hanako(2004年3月24日号)」に紹介していただき、「雑誌見ましたよ」と言って訪れて下さるお客様のお言葉がとても励みになります。来月は「とらばーゆ」にオーナーの谷川が登場します。主婦から念願のショップオーナーになるまでのストーリーをお話ししております。

雑誌をご覧になって訪れてくださるお客様は、もちろんパリが好きで洋服や雑貨に興味を持って来てくださる方がほとんどなのですが、それだけではなく、案外フラッとお一人で入って来られる女性も多く、仕事のこと、子育てのこと、日常生活のさりげないひとコマを語ってくださいます。まさに「友人のアパルトマンを訪れるような気軽さ」をコンセプトにオープンしたショップなので、そんなサロンになりつつあるかな?と嬉しくなります。

3階なので、路面とは違ってお客さまが上がってきてくださるかと不安でしたが、階段を上がる足音は聞こえるんだけど、まだ姿が見えない、その「間」というのがとっても緊張感があっていいんですよね。初めての方は、きっとドキドキしながらドアを開けようとしてくださっており、スタッフもどんな方が来てくださったのかとワクワクして待っています。

そうなんです。いつもワクワクドキドキしています。そう!こういう気持ちになれるのは、階段があるからなんです。お客さまとスタッフをつなぐ階段。3階だからこそ、「よくぞここまで上がってきてくださいました!」とホンとありがたいなぁ〜、って思えるんです。

お一人で、恋人同士で、ご夫婦で、気のおけない友人と・・・。
これからも「エスカリエ・セー」でお待ちしております。(Tomiko)

2004/Mar.
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大切なお客様、スタッフ、そして家族へ感謝を込めて(Vol.12)


1年前ほとんどわがままと直感ではじめた“エスカリエ・セー”。
ほとんど何も分からず、見よう見まねで固い土を耕し、そこにいくつかの小さな種をまき、 水をやり半信半疑ながら一生懸命に良いと思われるさまざまな方法を試し、ふうーっと一息つくと、土の中から僅かな小さな緑の芽が、ぴょこぴょこと顔をだしていた。そんな1周年です。 

1年間がんばってよかったな・・というのが今の実感です。
 
顔を出したこの小さな芽が、双葉になり、本葉になり、やがてはたわわに実をつける大きな木になることを夢見て・・・

思えば、温かい太陽の光だけじゃなく、冷たい北風も大雨の日々もすべてみんな必要なことだったので